北方領土返還　「３島と択捉の一部で」　政府代表が見解と報道（04/17 15:12）
　河村建夫官房長官は十七日の記者会見で、谷内正太郎政府代表（前外務次官）が同日掲載の毎日新聞とのインタビューで、北方領土問題をめぐり歯舞、色丹、国後三島と択捉島の一部の返還で解決すべきだとの考えを示したことについて「北方四島の帰属の問題をまず解決して平和条約を締結するという政府方針に変わりはない」と述べ、政府方針の変更を否定した。ただ、麻生太郎首相のブレーン役でもある谷内氏が、政府代表の立場で政府方針と異なる考えをマスコミに示したことは波紋を広げそうだ。
　谷内氏は毎日新聞に個人的な考えとして「（歯舞、色丹の）二島では全体の７％にすぎない。択捉島の面積がすごく大きく、面積を折半すると三島プラス択捉の２０－２５％ぐらいになる」と、面積で折半する案を述べた。訪米中の谷内氏は十七日、北海道新聞記者に「あんな事は言っていない」と否定した。
　河村氏はあくまで四島返還を求める政府の立場を強調。「谷内氏は個人の見解を述べたもので、政府の方針として述べたことはありえない。麻生首相の指示を受けての発言とは考えられない」と述べ、谷内氏から真意を確認する考えを示した。
　麻生首相は、外相時代の二〇〇六年、国会などで「択捉島の２５％を残り三島にくっつけると、５０・５０（％）ぐらいの比率になる」「三島返還というのは一つのアイデア」と、谷内氏の今回の発言と同様の考えを述べている。