·         日本的経営

o    1950年代後半以降みられるようになった,日本企業に特徴的と経営スタイル｡

o    大企業を中心にみられたもので、中小企業には必ずしも当てはまらないと指摘される。

o    今日、終身雇用や年功序列は崩れつつある（？）

·         日本企業をめぐる諸制度は、各システムが独立して存在しているわけではなく、相互に作用しあっている（制度的補完性）。

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·         参照：終身雇用

·         定年まで会社が雇用を保証するという雇用慣行のこと｡労働者のモチベーションが高まりやすく,企業も教育投資を拡充して労働者への技術やノウハウの蓄積を図れる｡一方で,簡単には解雇できなくなり,不況期にはそれが足かせになるとの指摘もある｡

·         日本的雇用慣行

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·         参照：年功序列

·         年功序列とは,年齢と勤続年数を基準にして昇進や昇給が決まるような人事慣行｡将来昇給するとの期待があり,若いうちに比較的低賃金でも従業員の不満が少ない｡また,若いころに辞めてしまっては損をするので,従業員の定着率が高まり,終身雇用の維持に役立つ｡

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·         労働組合が企業別に構成されている｡米国では,労働組合は企業の枠を超えて職能別に構成されていることが多い｡

·         この場合,組合も企業と運命共同体である｡組合も経営のことを考える｡しかも年功序列であるから,組合の幹部もやがて出世し課長や部長といった非組合員になる｡結果,労働組合と経営者側が基本的に同じ利益を追求する同志となり,いわゆる｢労使協調路線｣が確立｡

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·         終身雇用と年功序列を支えるのが,新規学卒者の定期的な一括採用｡中途採用が多いと,従業員の能力と勤続年数との関係がばらばらになり,年功序列的な賃金支払いが困難になる｡年功序列を可能にするためには,従業員のスタートラインをそろえる必要がある｡

·         採用された新規学卒者は,企業内部で教育され,人材として育成されていく｡その手法がOJT（On-the-Job Training）。OJTとは,仕事の実践を通して必要な能力を身につけさせていく方法である｡日本のように終身雇用が前提であれば,企業は時間と金をかけて人材を育てることができる｡

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·         参照：稟議制

·         稟議とは,最終的な意思決定に至る過程で,複数の管理者･担当者からの合意を取りつけるための仕組み｡日本の管理組織における集団主義的意思決定方式を支えている制度といえる｡

·         米国企業においては,その意思決定はトップダウン型であるといわれるが,集団の合意形成を重視したこの稟議制度は,ボトムアップ型の意思決定｡

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·         一般に日本的経営では家族主義的,全人格的な結びつきが雇用者と被雇用者,あるいは被雇用者同士にみられる｡このことは,日本企業の福利厚生制度の手厚さにも見てとれる｡家族手当,住宅手当,社宅や保養施設の整備など,これらの制度は,単なる生活補助ではなく,慣行としての従業員の家族への配慮といった意味合いももっている｡

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1.       企業の固定費を高める

o    終身雇用を前提とすると,人件費が固定費とみなされ,その分企業の固定費が高くなる｡企業にとって固定費が高いことは特に不況期においてマイナス要因となる｡この点,人件費を変動費ととらえている米国企業と対照的｡

2.       若い世代の活躍の機会が少ない

o    年功序列の慣行のもとでは,若い人々が大きな仕事をする機会が限定され,彼らの育成にはマイナスとなる｡

3.       企業を離れる自由の欠如

o    労働市場が硬直的な日本では,企業に対し不満があっても企業にとどまらざるを得なくなることが多い｡したがって,企業に籍をおく人々は,企業を離れる自由が欠如しているとの感覚をもつことが多い｡

4.       女性労働者に不利

o    出産・育児によって労働市場の退出が余儀なくされる場合、キャリア形成・賃金上昇において不利